「戦艦大和」のマンホール蓋 「街のフタ協会」、呉市に寄贈

~広島地区鉄鋼企業も協力~

 

 一般社団法人「街のフタ協会」(広島県呉市、海生知亮代表理事)は、戦艦大和をデザインしたカラーマンホールの蓋8枚を呉市に寄贈した。プロジェクトに協力した企業名が一枚に一社ずつ刻まれ、広島市や呉市の鉄鋼関連企業の社名も見受けられる。寄贈されたマンホール蓋は赤れんが敷の呉市美術館通りと戦艦ヤマトの慰霊碑がある旧海軍墓地近くに設置された。

 
  呉市で建造された戦艦大和の一生をテーマに、竣工時の大和から沖縄方面へ出撃中の大和までの8種類を、当時の資料や写真を参考にデザイン。大和ミュージアムの戸高一成館長がデザイン監修した。いずれも直径60㌢の鋳造品の一品物で広島市の鋳造メーカー、友鉄工業(社長・友廣和照氏)が製造担当した。

 
  鉄鋼関係の協力企業名が刻まれたデザインは、中和商会(村上健一社長)=「昭和16年12月16日竣工」、堀口海運(堀口悟史社長)=「昭和17年連合艦隊旗艦船艦大和」、友鉄工業=「昭和18年戦艦大和・武蔵」、コトブキ技研工業(奥原祥司社長)=「捷一号作戦時の戦艦大和」、こっこー(槙岡達也社長)=「昭和20年戦艦大和」

 
  今回の寄贈に先行する形で、同協会は今春、大和デザインのマンホール蓋2枚を呉市に寄贈している。この2枚は下水道広報プラットホームが企画・監修し、全国各地で配布されているマンホールカードに登録。8月2日から配布中。

 
  呉市は「鉄鋼と造船」の製造業の街だが、観光地的側面も強い。近年は各地のマンホール蓋のデザイン愛好家が増えている。訪れた観光客を足元から楽しませながら、コレクション性が高いカードに登録したことで市内の回遊性を持たせ、観光振興に一役買っている。

 


[2017.08.04] 鉄鋼新聞 掲載

今期、増収増益を計画 売上高126億円目指す

 総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達也氏)の2017年3月期業績は鉄スクラップ相場の高値推移・販売増などを要因に、増収減益で着地した。売上高は前期比12.3%増の116億730万円、経常利益は410万円。今期業績は鉄スクラップ市況の上向きや各事業の収益性の高まりを加味し、売上高126億円を計画、増収増益を目指す。
 

 前期業績の内訳は、鉄・非鉄スクラップ、使用済み蛍光灯・乾電池リサイクル、古紙などを扱う資源循環事業部門は前期比34.8%増の46億4260万円。昨年中はスクラップ相場が高位で推移、メーカー購入量が上向いたことも奏功した。製鉄所構内作業の製鉄事業部門は工事減少で同2.7%減の22億1200万円。鉄鋼建材営業、エクステリア商品の販売・工事・施工を行う生活環境事業部門は同3.0%増の47億5270万円。
 

一軸破砕機導入 拠点整備へ

 

 同社では今春、社長交代し若返りを図り、今後も鉄スクラップを柱にしながら廃棄物の分別を強化しリサイクルのすそ野を広げていく方針。「スクラップ、鉄鋼建材、エクステリアの各事業分野において、いかに付加価値を高めるかが課題」(槙岡社長)。その一環に自社保有資産を有効活用しようと、拠点整備を進める。
 

 今期中に広島加工センター(東広島市黒瀬町)には、本社近郊に完成したバイオマス発電設備に使用する木材燃料チップの製造や廃プラスチックなどの産業廃棄物中間処理施設として小型の一軸破砕機を新たに導入する。破砕機の習熟を高めながら鉄・古紙以外の廃棄物への展開も進めていく。東予営業所(愛媛県西条市)は、生活環境事業で使用した延床2千平方㍍ある第2ヤードの半分を整理して、資源循環事業での有効活用を図る。また、スクラップや古紙を扱う東広島リサイクルセンター(東広島市西条吉行東)のヤードも老朽化しており、広島加工センターや本社の遊休土地の活用を踏まえ検討を進める。
 

 廃ガラス原料の軽量発泡資材「スーパーソル」は、今期、軽量盛土材を中心に約3千立方㍍、来期も約5千立方㍍の大型案件の引き合いが続いており、営業効果が表れつつある。

 


[2017.07.07] 鉄鋼新聞 掲載

 

[新社長]社内改革、シナジー発揮へ

4月1日付で取締役常務執行役員から昇格し社長に就いたばかり。実父である槙岡達真会長(前社長)が鉄スクラップや古紙、廃蛍光灯リサイクルなどを扱う資源リサイクル事業を束ね、日新製鋼呉製鉄所の構内作業を請け負う製鉄事業、金属屋根・壁材やエクステリア商品、環境製品を扱う生活環境事業を2人の取締役が管掌し、新社長の脇をがっちり固める。

大卒後に入社した毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)で新卒採用営業を中心に2年半勤務。日新総合建材(現日新製鋼建材)では5年間、ZAMの太陽光架台向け営業などを担当と、営業畑出身。社長業の第一歩として、人事・総務をはじめ経理・財務を担う管理部門を管掌し、社内改革に取り組む。

「当社の人材にはまだまだ伸び代がある」とみて、社内の業務改善や事業部間の交流に着手。各事業・拠点の垣根を超えた人事ローテーションにより、社内ゼネラリストを育成することで「幅広い事業を手掛けている強みを生かし、シナジー効果を発揮したい」との方針。「やらされ感のある仕事に高品質は望めない」が持論で、働き方改革を進め、社員が積極的に働ける職場環境を整え、仕事の好循環を生み出していく。

日新製鋼呉製鉄所における構内作業の縮小が予想されることから、今後、新たな取り組みを積極的に展開して製鉄所内のさらなる生産性向上に寄与していきたい考えだ。鉄スクラップ以外の廃棄物の扱いを増やしながら「総合的に廃棄物を扱える総合リサイクル企業」へと移行する構え。金属屋根・壁材などを扱う鉄鋼建材の営業部隊は、若手育成を念頭に今春から工事部隊と一体化した。

「今年私が32歳、会社は創業67年目を迎え、65歳時点で100周年目になる」として、社員を大切にしつつ、先を見据えた経営のかじ取りを行う覚悟だ。

 


[2017.04.21] 鉄鋼新聞 掲載

 

新社長に槙岡常務

総合リサイクル、鋼材加工販売のこっこー(本社=広島県呉市)は、4月1日付で新社長に槙岡達也取締役常務執行役員(31)が昇格した。槙岡達真会長兼社長(64)は、代表権を持つ会長に就任。

達也新社長は達真会長の長男。トップの若返りで「時代の変化に対応できる」経営体制を整える。

 

▷槙岡達也(まきおか・たつや)氏=2008年、武蔵大経卒。毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)や日新総合建材(現日新製鋼建材)に勤めた後、15年にこっこー入社。生活環境事業部長などを経て、16年5月から取締役常務執行役員。85年6月6日生まれ、広島県出身。

 


[2017.04.04] 産業新聞 掲載

鉄スクラップ安で減収減益 ー コストダウンや効率化推進へ ー

総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達真氏)の2016年3月期業績は鉄スクラップ相場が年間を通じて落ち込み、鉄鋼製品も安値推移が続くなどを要因に減収・減益を余儀なくされた。売上高は前期比24.2%減の103億3200万円、経常利益は同70.7%減の600万円に。今期業績は売上高を前年度並みと想定。予算必達を掲げ、全社3億円分のコストダウンや外注の内製化を含めた配送・営業の効率化を推進して収益性を高める方針。

鉄・非鉄スクラップ、使用済み乾電池や蛍光灯のリサイクル、古紙などを扱う資源リサイクル事業部門は同38.3%減の34億4300万円。主に地場高炉や特殊鋼メーカーに収める鉄スクラップの相場下落に歯止めが掛からず、メーカーの購入量減少も響いて単月赤字が積み重なった。製鉄所の構内作業を請け負う製鉄事業部門は、請負業務を見直したことにより同27.0%減の22億7300万円。生活環境事業部はコストダウンに努め同6.4%減の46億1400万円。同事業部の鉄鋼建材営業部門は販売が振るわなかったが、建築資材、エクステリア商品の販売と工事を行う部門は売り上げ減少幅が最も少なく、一定の業務改善などの成果を発揮し利益向上に貢献した。

今後も鉄スクラップ、構内作業を取り巻く環境は不透明感が強く、事業伸長が見込み難いと分析。鉄スクラップ加工販売をベースに置きつつ、廃棄物の分別を強化し、リサイクルのすそ野を広げて収益改善を図る。その一環に水銀含油物リサイクル処理業者の野村興産(本社・東京都)との連携を強化。使用済み蛍光灯リサイクル設備が岡山営業所内で6月から稼働を開始、松江・東予の両営業所でも余剰スペースを使って廃蛍光灯収集を始めている。

 

常務に槙岡達也氏

5月27日開催の株主総会、取締役会で槙岡社長の子孫である槙岡達也氏(31)が取締役常務執行役員に就いた。槙岡常務は武蔵大経済学部経営学科卒、毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に2年半勤めた後、日新総合建材(現日新製鋼建材)に5年間勤務。2015年にこっこー入社、生活環境事業部長を経て現職。


[2016.07.01] 鉄鋼新聞 掲載

石材輸入販売を分社化 -ベトナム産、販路拡大-

【呉】建材加工販売、総合リサイクル業のこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達真社長)は、このほど、ベトナム産石材の輸入販売事業を分社化した。全額出資子会社の「ミライブ」を設立し、4月1日から業務を始めている。石材は一般住宅や造園向けに販売しており、受注量は増加傾向。今後、販売パートナーの拡大など販路拡大を図っていく方針だ。

石材販売事業は2014年にスタート。当初は、金属製の建材事業と相乗効果を目的にエクステリア商品の一つとして取扱いをはじめ、こっこーの企業理念である「人に心地よい環境をつくる」を実現する景観製品として、販売は製品開発に注力してきた。近年は鎌倉霊園(神奈川県鎌倉市)などさまざまな物件で採用され、扱い量が増えている。

ミライブはこっこー東京事務所(東京都中央区新川1-7-3)内に本社を置く。代表はこっこーの田中利幸執行役員・管理部長が就任。中国・四国地区にエリアを限らない事業展開を視野に、東京を拠点とした。社名は「未来(ミライ)」と「住む」、「生きる」を意味する「live」を組み合わせたもの。

ベトナムでの石材切り出しや製品に整える作業はベトナムの業者に委託している。新会社の設立で販路を広げ輸入量を増やし、ともに成長していくことで、さらに委託先との関係を強化したい考えだ。「将来的には石材事業以外でも現地とのパイプを構築し、事業展開につなげていきたい」と槙岡社長は話す。

こっこーの16年3月期の売上高は前期比24.2%減の103億3000万円、主力である金属リサイクルで鉄スクラップ相場が大きく下落したことが強く影響した。一方で鉄鋼建材などを扱う生活環境事業部では業務改善などの成果で利益率が向上、今期はこうした取り組みを全社に水平展開していく考えだ。

 

常務に槙岡達也氏

【呉】こっこーは5月27日に開かれた株主総会、取締役会で、槙岡達真社長の息子である槙岡達也氏が取締役常務執行役員(生活環境事業部長)に就任した。田中利幸・取締役副社長は取締役を退任し、執行役員・管理部長に就いた。田中氏は、4月に設立されたこっこーの子会社で石材輸入販売を手掛ける「ミライブ」の社長に就任しており、今後は同社の事業に専念する。


 

[2016.06.10] 産業新聞 掲載

ガラス再生事業強化  -広島加工センター、鋼・建材設備を集約-

【呉】建材加工販売・総合リサイクル業、こっこー(本社=広島県呉市、槙岡達真社長)は2016年3月期、資源循環事業部に注力する方針で、ガラスのリサイクル体制を整える。今期中に鋼材・建材加工、ガラス再資源化を行う広島加工センター(広島県東広島市)で工場レイアウトを見直し、鋼材・建材の加工設備を集約、空いたスペースにガラス再生プラントを整備する。

広島加工センターは建材加工拠点として1998年に開設した。現在は鋼板、鉄鋼建材加工だけでなく、廃ガラスびんをカレットとして再資源化するほか、廃ガラスを原料とする軽量発泡資材「スーパーソル」の製造プラントを導入し、ガラスリサイクルを行っている。

建材加工と鋼材加工は、それぞれ敷地内の別の建屋に設備を配置しているが、建材加工に使用する成型機、裏貼り機のリプレースに合わせ建材加工設備を移設し、1棟に集約する。その後空いた空間を活用し、ガラス再生プラントの設備を進める考えだ。ガラスリサイクルに伴う加工センター周辺の環境への影響を抑制するとともに、作業効率の向上を図る。

 

前3月期業績減益に

15年3月期の売上高は130億円代前半で、減収減益となる見込み。下落の続いた鉄スクラップ相場とその後の安値推移、鉄鋼製品価格もジリ安での推移となったことが影響した。

16年3月期は売上高136億円、純利益5000万-6000万円を計画。鋼材や鉄スクラップの価格推移など不透明な要素も多いため、若干の上振れも予想する。資源循環事業部では「水銀に関する水俣条約」の発効を見据え、水銀含有廃棄物の再処理事業を手掛ける野村興産(東京都)との連携を強化し、使用済み蛍光灯のリサイクルにも力を入れる。

 

 


[2015.04.17] 産業新聞 掲載

軽量発泡資材 自動梱包ライン導入 ・3事業部制に組織改編

【呉】建材加工販売、総合リサイクル業のこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達真社長)はこのほど、広島加工センター(広島県東広島市)に廃ガラスを材料に製造する軽量発泡資材「スーパーソル」の自動梱包ラインを設置、試験稼働を開始した。梱包を行うことでほこりなどの発生を防ぎ、周辺環境への影響を低減することが可能となる。同社は6月に3事業部へ組織改編を行い、事業体制を強化した。
広島加工センターでは、スーパーソルの開発元であるトリム(沖縄県)製のプラントを導入、同製品を製造している。これまで製品は屋外で保管しており、ほこりなどの発生による周辺環境への影響が課題となっていた。環境負荷軽減を目的に製造後、梱包を行ってから保管を行うことを決め今年3月に設置工事を開始、このほど試験稼働を始めた。今後、必要に応じて集塵装置などの追加を行う計画。またスーパーソルの原料確保の安定化とともに、廃ビンなどをそのままガラスとしてリサイクルするため、同加工センター内にカレット処理設備を新設する予定。
同社は6月1日付で組織改編を行い、3事業部制へ移行。槙岡達真氏は同日付で代表権を持つ会長兼社長に就任した。事業部は製鉄所の構内作業を手がける「製鉄事業部」、鋼材・建材の加工販売やエクステリアを取り扱う「生活環境事業部」、金属スクラップの加工処理をはじめリサイクル全般を行う「資源リサイクル事業部」に改編、取締役を1人増やし各事業部の最高責任者とする業務執行体制を採る。各事業部が主体性を持った事業展開を推進することで、収益力の向上を図る。また業容の多様化により成熟した事業と成長途上の事業が混在する中、槙岡社長が経営トップとして育成事業に注力しやすい環境を整える目的もある。
今期は2011年から始めた石材事業に注力する方針で、今年4月には自社ブランドとして「ComfyS(カムフィス)」シリーズを立ち上げた。同社の扱う景観石材を製品シリーズとしてまとめたもので、知名度の向上を図るのが狙い。「心地よい環境づくり」をテーマに今後、ラインアップを増やしていく計画で、琉球石灰岩を用いた石材を近く追加する予定。
同社の14年3月期の業績は、売上高が13年3月期比10.6%増の139億1960万円、経常利益は同期に比べ4億4500万円増の1570万円となり3期ぶりの経常黒字となった。一方、金属スクラップ加工処理を行う本社工場の建て替え、整備に伴う設備償却などの影響で、営業損失は2億4760万円。今期は金属スクラップの扱い量増加やエクステリア事業の売り上げ増を予測。前期を上回る水準の売り上げを計画し、本業での業績改善を目指す。


[2014.07.04] 産業新聞 掲載

14年3月期業績 3期ぶり黒字化

こっこーの2014年3月期業績は増収増益と、3期ぶりに黒字化を果たした。本社構内に建て替えた資源リサイクル工場・非鉄加工工場などの設備償却などが響き、2期連続の赤字決算が続いていた。前期売上高は139億1960万円で前期比10.6%増、経常利益では4億4510万円に改善した。今期はスクラップ扱い量増や建材関連の販売量増を見込み、前期プラスアルファの業績を予想する。
前期売上高順に各部門を見ると、リサイクル原料部門は前期比23.6%増の51億4340万円、製鉄所構内作業部門が同2.4%増の36億3380万円、建材部門が同24.4%増の28億3570万円、鋼材部門が同6.2減の23億90万円だった。
今期は建材営業に注力する。同社は11年の社名変更年から石材事業を開始。景観石材商品を中心に扱っており、「ComfyS」を立ち上げた。今年4月に開設した福山営業所は石材事業を中心としたエクステリア・建具の販売施工拠点であり、展示スペースを設けるなど石材事業の中心地に据えている。各出先への物流利便性が高い福山地区に、新たに石材製品の在庫拠点を設ける方針。また、廃ガラスから製造するスーパーソルの母材を安定的に確保するため、東広島の広島加工センター内にカレット処理設備を設ける予定。


[2014.06.27] 鉄鋼新聞 掲載

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