こっこ一、3ヵ年新中計「事業基盤を強靭化」

― 全部門で黒字化目指す
 
 総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)は、2021年度から3力年の中期経営計画を策定した。構内作業を手掛ける日本製鉄瀬戸内製鉄所・呉地区の閉鎖が23年に予定されるなど事業環境が大きく変わる中、収益力の強化やイノベーション創出、事業部・グループ間のシナジー強化などを通じ、強靭な事業基盤を再構築する。
 
 
― 解体付帯作業を獲得へ
 
 20年度にまとめた外部環境の変化に対応し、社員の雇用維持と22年度の黒字化を目指す「こっこー再生プラン」と並行し、取り組みを進める。「ピンチをチャンスに変えるために、挑戦しよう」を中計のスローガンに〝再生後〟を見据え、あり様を描いた。最終年度には、全事業部の黒字化、純利益1億円の安定確保、雇用維持、自己資本比率30%の達成、働き方改革による労働時間の短縮などを実現する。
 中計中に、製鉄所の構内作業を請け負う「製鉄事業部」の作業が大きく減少する見通しのため、収益改善、雇用維持を目標に、既存事業の利益率向上や社長直轄の「事業開発プロジェクトチーム」を中心にした新規事業の立ち上げに取り組む。
 昨年M&Aを通じ、スタートした土木事業の拡大、金属リサイクルなどを担う資源循環事業部と鋼材やエクステリアなどを販売する生活環境事業部の連携強化、製鉄事業部の構外作業への進出など事業改革は一定の成果を上げていることから、改革を加速し将来につながる基盤づくりを進める。
 日本製鉄が5月に、広島県や呉市などでつくる合同対策本部で、9月末の鉄源工程休止後の保全や一部解体、23年に予定する全設備停止後の撤去・解体について概略が示されたことを受けて、製鉄所の解体工事にかかる付帯作業の獲得を目指す。槙岡社長は「製鉄所の中で1日でも長く、一人でも多く働くことが当社と地域にとってはベスト」と話し、参入に強い意欲を見せる。
 6月には、創立70周年を迎えたばかり。槙岡社長は、70年代のオイルショック、90年代のバルブ崩壊、08年のリーマン・ショックなどさまざま事業環境の変化に直面しながら、そのたびにピンチをチャンスに変えるべく攻めの姿勢で乗り越えてきた歴史を振り返り、社員に結束を呼びかけたという。
 今回、中計とともに10年後の長期目標も作った。80周年の節目となる31年には、「地域社会を豊かにする、総合リサイクル・活性化企業へ」と進化し、脱炭素社会への貢献、産業廃棄物の処理品目拡充、新たな処理設備の導入やIT化、グループ土木事業10億円到達などの実現を掲げる。
本社社屋の建て替えや80周年の記念事業も実施したい考えだ。
 
 
― 前3月期、減収増益 土木拡大で雇用維持
 
 こっこーの20年度(21年3月期)の業績は.売上高が前期比26.2%減の101億8,500万円、経常利益は同15.3%増の9,700万円で減収増益だった。19年度(20年3月期)に災害廃棄物の処理で一過性の収益があったため、反動で、資源循環事業部の売上高が大きく減少した。利益面では、経費削減、コストを意識した営業方針の徹底で利益率を高めたことなどが寄与し、営業・経常共黒字を確保した。新型コロナウイルス感染症による国内経済活動の低下を受けて、資源循環事業部のほか、製鉄事業部、生活環境事業部でも売上高が減った。製鉄事業部では、20年2月に日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区で第2高炉が休止されたことで仕事が減ったものの、スポット作業や構外作業の受注強化が小幅減にとどまった。
 21年度(22年3月期)は、経済が回復基調にあることや鋼材やスクラップの相場が上昇していることから増収計画。ただ.仕入れ価格の上昇に見舞われていることに加え、9月末に呉地区で高炉2基を含む鉄源工程が休止され、製鉄事業部の構内作業が大きく減る見通しのため.事業環境は依然、厳しいとみて収益改善への取り組みを続ける方針。
 鉄源工程休止後の人員は.20年度に立ち上げた「こっこー再生プラン」の進展により、グループ内での配置転換や製鉄事業部内での再配置などで対応する。大きなテーマである「雇用維持」は23年の全工程休止に向け、昨年グループ化した村上工務店(広島市)を中心にグループ全体の土木事業の拡大、他事業部の体質強化などで受け皿づくりを継続する。
 21年度は、各事業部で設備面でも体制強化を図る。資源循環事業部では、年度内をめどに呉リサイクルセンター(呉市)に小型竪型破砕機と選別ラインを導入する。鉄・非鉄、樹脂を含む「雑品」と呼ばれる複合スクラップなどを再資源化する。処理能力は、1日当たり約7トン。18年に木くず・廃プラスチック用の一軸破砕機を設置しているが、スクラップ加工に使う破砕機の導入は同社として初めて。槙岡社長は「実際に運用することで、今後の資源循環の絵姿を考える材料にしたい」と話す。22年度には、リサイクル需要の増加が予想される太陽光パネルの再資源化事業への参入を検討する。
 製鉄事業部では、鉄源工程休止後の製鉄所内での片付け作業や解体工事にかかる付帯作業の獲得に注力する。生活環境事業部でも広島加工センター(東広島市)にプレスベンダーを設置し、鋼板加工に活用する。


【2021.07.20】産業新聞 掲載

こっこ一ソフトボールチーム、実業団全国大会に出場 ~あす初戦「大舞台で大勝利へ」

 こっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)のソフトボールチーム「cocco」が、17日から19日まで広島県尾道市の御調ソフトボール球場で開かれる実業団の全国大会「第61回全日本実業団男子選手権」に出場する。全国大会への進出は初めて。チーム一丸となって大舞台での初勝利を目指す。ソフトボール部は2006年に発足。もともと呉市は、ソフトボールが盛んな地域だったといい、プレーする社員が増えたのを機に、実業団チームを作った。07年からは呉市のリーグに所属、さまざまな形で会社からバックアップを受け、活動を続ける。現在では、若手社員の交流の場となっているほか、リクルートや企業PRの面でも貢献する。社会人になってもソフトボールを続けたいと、ごっこーへ入社した社員もいるという。10年には地区大会、広島県大会を突破し、中国地区大会に進んだものの、全国大会には手が届かなかった。今回、全国大会への切符を手に入れ、創部以来の悲願をかなえた格好だ。

 活動する部員は17人。新型コロナウイルス感染症の影響で市営グラウンドが利用できない期間もあったが、本社敷地の一角を使って練習に励んできた。古川雄一監督は「当社70周年の記念すべき年に全国大会に出場でき、うれしく感じている。強豪チームとの対戦を楽しみ、全国大会での一勝を目指したい」と話す。初勝利を飾り、会社や地域、社員・家族への恩返しをしたい考えだ。初戦はあす17日午後3時から。鹿児島県代表の山口水産と対戦する予定。


 

【2021.07.16】産業新聞 掲載

 

地域の環境美化へ 呉市の金属リサイクル会社 西条市に10万円寄付

 金属リサイクル業の「こっこー」(広島県呉市)は6日、地域の環境美化などに役立ててもらおうと、西条市に10万円を寄付した。市は海岸や河川で回収した廃棄物の処理費用などに充てる。

 

 6日に市役所を訪れた槙岡達也社長は「地域への恩返しがしたいという思いがあった。これからさまざまな事業を行おうとする中で、西条市は新たな拠点になりうる場所だと感じている」とあいさつし、玉井敏久市長から感謝状を受け取った。

 

 同社は創業70周年を機に、地域貢献の一環として営業拠点などがある中四国13自治体への寄付を進めている。

 


【2021.07.07】愛媛新聞 掲載

 

鉄リサイクル工業会中四国支部 初代部会長に就任した槙岡達也氏

 こっこーの槙岡達也社長は日本鉄リサイクル工業会中四国支部の初代青年部会長に就任した。昨年一年間は準備期間に充て、45歳以下の若手30人弱の仲間を集めた。同支部では岡山部会に青年組織があるが、支部全体での青年部会は初めてだ。若手経営者や幹部陣など広く参画を呼び掛ける。6月28日にウェブ上で発足式を行い、8月には親会を含め広く参加者を募る形でのウェブ講演会を企画する。
 
 
 廃棄物処理業界など「競合との協業」、循環型社会実現の一角を担う鉄スクラップ業界の働き手確保に向けた「業界地位向上」、海外動向を踏まえ将来を考えるための広い視野を養う「海外に触れる機会創出」の3点が活動方針。「似通った業界である廃棄物 業者ともうまく協業・競合していかねばならない時代。同業者間では国内市場が縮小する中で保有設備など各社の強みを生かしての連携も図りたい。鉄は100%リサイクル可能な素晴らしい素材であり、その原料となる鉄スクラップを扱う当業界の存在意義をアピールしていくことも重要だ」と語る。
 
 
 数年後に控える支部主幹の全国大会を成功に導くべく、若手同士の横連携も強化する。
(小田琢哉)


[2021.6.18] 鉄鋼新聞 掲載

前3月期、減収増益

 総合リサイクル・建材加工のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達也氏)の2021年3月期業績は売上高が前期比26.2%減の101億8400万円、経常利益は同15.3%増の9700万円と減収増益。減収については、災害廃棄物処理の大型案件終了やスクラップ単価は上がったものの扱い量減少が響いた。一方、逆風下の中で徹底したコスト削減と利益率向上に向けた自助努力が実を結んだことと、各種助成金の活用により黒字確保を果たした。
 
 
 事業部門別売上高では、鉄・非鉄スクラップ・古紙などを扱う資源循環事業部が47.7%減、鉄鋼建材、エクステリア商品の販売施工を行う生活環境事業部が6.6%減、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の構内作業を担う製鉄事業部が3.4%減と、いずれも売り上げ減を示した。
 
 
 特に西日本豪雨で発生した災害廃棄物処理業務の大型スポット受注で前々期の売上高が伸長していた資源循環部門の売上高は、市中発生減に伴うスクラップ扱い量減も加わり半減。製鉄事業部門は期中に高炉1基の休止の影響が危ぶまれたが、継続契約の見直しや操業人員減に伴って増加した構内スポット作業の獲得が奏功し小幅減。生活環境事業部門の鉄鋼建材分野は自動車メーカーをはじめ産業界のコロナ感染拡大の影響による設備投資減が大きかったが、エクステリアではCAD図面を活用した提案型営業による付加価値向上や営業努力による配送費獲得で利益率が向上した。資源循環、生活環境の両部門は「販価上げや生産原価低減の徹底で、コスト意識、利益率向上に向けた意識改革が浸透した一年だった」(槙岡社長)と評価する。
 
 
 同社は前期の期初に、製鉄所閉鎖を見据えた「再生プラン」を始動。従業員の雇用と全事業の黒字の確保を目指している。
 
 


 
 

[2021.6.18] 鉄鋼新聞 掲載

日本製鉄・呉地区 完全閉鎖見据え”攻め”の中計始動 高炉解体業務参入目指す

 総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槇岡達也氏)は2021年度を起点とする3カ年の新中期経営計画をキックオフした。基本戦略である「ピンチをチャンスに変えるための挑戦」を期間中の統一テーマに掲げ、主力取引先である日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の23年9月末の完全閉鎖に臆することなく「攻めの姿勢」を鮮明化。最終年度に純利益1億円規模のキープと全事業部黒字化といった意欲的な計画を立てている。▼6面「関西・西日本版」に関連記事

 

 新中計は、呉地区の構内作業を請け負ってきた製鉄事業部門の売り上げ大幅減・固定費増加分を埋めるための全事業部・グループの収益力強化や、昨年新設した事業開発プロジェクトチームを中核に雇用の受け皿作りのための新規事業への挑戦などが骨子となる。

 

 今年9月末の呉地区上工程閉鎖に伴い、来年1月までに製鉄事業部120人強の雇用に影響が出るとの見通し。今後、鉄・非鉄スクラップや古紙などを扱う資源循環、鉄鋼建材営業やエクステリア商品の販売・工事施工を行う生活環境の両事業部門への配置転換と、引き続き構内のスポット的な構内作業の獲得にも回す算段だ。

 

 日鉄から完全封鎖後に本格的な製鉄所の解体作業に入るとの発表を受け、解体に係る作業に対して「地元のためにも、是が非でも参入したい」(槙岡社長)としている。呉地区に納入していた鉄スクラップに関しては、新たな販売先の獲得や海上輸送も視野に入れている。

 

 各部門の早期の体質収益力の底上げも進展している。子会社である代納業者・大鉄産業(福岡県)とは販路拡大・集荷面での効果が上がっている。新規事業にも挑戦し、土木業者の子会社化やマツダ協力会社の事業譲渡で雇用の受け皿を増やしている。土木事業の骨太化や解体参入を目指し、公的資格保有者を増やしていく方針。

 

 中計での設備投資は5億~6億円規模を計画。鉄を軸に廃棄物取扱品種を拡大し、総合リサイクル業の基盤を整えるべく、今年中の雑品スクラップ用竪型破砕機の導入に向けた準備を進めている。来年度には耐用年数が過ぎた太陽光発電パネル設備の大量排出期を見据えて、再資源化に向けた設備の導入も検討する。屋根成型品に付随する建築金物用の折り曲げ設備を更新し、内製化により利益率を高める。

 

 なお、昨年に黒瀬リサイクルセンター(東広島市)に廃プラ用圧縮梱包機を導入、ペットボトル処理への用途も検討する。

 

 新中計と合わせ、創立80周年を迎える10年後(30年度)を見据えて描いたロードマップでは、純利益2億5千万円、産業廃棄物扱い品目の拡充、土木事業の現状売上高1億5千万円から10億円への引き上げなどを掲げている。

 

 

 


[2021.6.18] 鉄鋼新聞 掲載

高炉休止を見据えて こっこーの再生戦略

新年を迎えて9月末の日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の高炉休止が迫ってきた。総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、槙岡達也社長)は呉地区構内作業に携わる製鉄事業部の社員約120人を抱えていることから、昨春に社員の雇用確保と呉地区休止年度に当たる2024年度の黒字確保を最終目標とした「再生プラン」を立ち上げた。社内アンケートによると地元呉での雇用・生活を希望する社員がほとんどで、槙岡社長は安易なリストラ策を取らず、社内に雇用の受け皿を作ろうとする厳しい道を選択した。その取り組みはどこまで進んでいるのか。「最大の得意先である製鉄所の休止は大転換点。これを乗り越えれば100年企業の展望が見えてくる」と大波に立ち向かう槙岡社長に聞いた。(小田 琢哉)


 

—雇用の受け皿つくりの進ちょく状況は。

 
「再生プランを発動して幾つかの事業プロジェクトを発足した。その方向性のひとつは土木事業への参入。昨年9月に広島市内の建築会社・村上工務店の全株式を取得して子会社化した。専任者を派遣し、土木分野の拡充・強化を図っている。当地は西日本豪雨災害があり、復興需要関連は息が長い。その一方で案件があっても人手不足から不調が続いていることから、土木分野に注目した。製鉄事業部の社員も重機を乗るなど、これまでの業務に近いことも参入理由だ。実際には一筋縄ではいかず、構内作業と法面作業などの公共土木工事は勝手が違うためノウハウの吸収に努めている」

 
 

「土木は業務内容が幅広く、即社員が対応することは難しいが、高炉休止までに自社全体で20人程度を土木業に配置したい。二級土木施工管理技士の免許を持つ者もいるため、エクステリア施工とのシナジーも期待。将来的には土木建築のトータル施工が手掛けられる水準を目指したい」

 

——既存事業部の強化策は。

  
「外注の内製化を想定して動いている。製鉄事業部が保有する資産をいかに活用するかについては、構内ダストなどを回収するバキューム車を郊外作業に回して、新たな仕事の獲得につなげている。工場内では汚泥や廃水が定期的に排出されることから、昨年中には鋳物業者など構外からの受注で5件の実績を積んだ。主に資源循環事業部の取引先に営業活動を行っている」

「当社のバキューム者は吸引力が強い分タンクが小さいため使い勝手が悪いが、逆にホースを長く引っ張らねばならないような場所で強力な吸引力がメリットとなる利用を考えている。他の事業についても、今期テーマ“We must change”を掲げているように、とにかく変化あるのみとの思いだ」
 

——上工程休止までに雇用を創出できるのか。

 
「詳細なスケジュールは明らかではないが、最重視しているのは、構内で一日でも長く、一人でも多く仕事できること。高炉休止後も下工程が残るし、解体に付随して仮置場のための整理など、恐らく構内作業は当分あると見ている。当社は解体はできないが、スクラップを手掛けている関係上小さなバラシは可能であり、案件が出てくれば必ず手を上げたい。何名分の雇用創出が現段階では本当に必要となるかは判断できないが、最悪の場面を想定しながら、どんな状況下であろうとも雇用の確保ができるよう幾つもの選択肢を準備したい」
  

——中核事業のスクラップ扱いはどうか。

  
「扱い量は間違いなく減少傾向にある。19年12月に子会社化した金属リサイクル代納業者・大鉄産業(福岡市)とは、呉リサイクルセンターや山口営業所での販路拡大・集荷面でシナジー効果を発揮している。九州は輸出が盛んで文化も違うので学ぶべき点も多く、人材交流も行っている。来期には雑品用に竪型破砕機を本社工場に導入を検討中だ。詳細な運用法は協議中だが、スクラップディーラーとして扱うモノが増えるのは必要であり、分別を徹底することで付加価値も高まる。当社は今後人手も出てくるため、手バラシも充実したい」
  

——苦しい状況下だが、今後の見通しは。

  
「少しずつ、各事業部は利益を残すことに重点を置いた考え方に変わりつつある。ただし新型コロナの影響で正しい評価は難しく、私が思う段階までは至っていないのが実状。2021年3月期の売上高は大幅減の見込みではあるが、まずは利益面を重視して何とか黒字に持っていきたい」


 

[2021.2.5] 鉄鋼新聞 掲載

こっこー、土木工事分野に参入

建設会社子会社化  ~構内重機の転用も~

総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)は、土木工事分野に参入する。9月末に建設業の村上工務店(広島市)を買収し子会社化。土木関連工事の技術やノウハウを取り込むとともに、既存事業とのシナジーを高め、グループ会社で土木事業の拡大を目指す。製鉄所の構内作業で使う大型吸引車や重機を、構外工事に転用するなど、新事業の開拓にも注力。日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区での上工程休止まで1年を切る中、構内で働く社員の雇用を守るため、収益確保と事業基盤の再構築を加速する。

 

「呉での雇用確保へ道筋」

これまで金属建材などを扱う生活環境事業部でエクステリア工事を手掛けていたが、本格的な土木分野は手付かずの領域だった。広島県では、豪雨災害からの復旧や防災関連など公共工事には、人手不足などの影響で、まだ整備が完了していない地区も多く、堅調な出件が続いていることから村上工務店を子会社化することで土木分野へと進出。のり面工事や防災工事での強みを生かしつつ、人員を補強することで業績向上に道筋をつける。

日鉄呉地区の構内作業を担当する製鉄事業部所属の社員は約120人。2021年9月に予定される上工程休止で、余剰となる人員、設備などが未だ明らかでない中、社内での部署異動だけでは減少分を吸収しきれないとみて、槙岡社長直轄の「事業開発プロジェクトチーム」を中心に、新規事業の開拓に取り組む。

構内作業では、重機を扱うなど土木工事と似た仕事も多く、社員の培ってきた技術が強みとなる。慢性的な人手不足に悩まされている建設業界への参入は、仕事の確保にうってつけだ。同時に、製鉄所内の作業用に保有する重機を構外工事で活用する道も拓ける。

すでに一部の車両は、構外事業での運用を始めている。製鉄ダストやピットにたまった汚泥を回収する大型の協力吸引車を、鋳造メーカーの工場や汚泥回収などに派遣。今年4月以降、5件ほどの実績があった。構外でも大型吸引車を使った作業には一定のニーズがあるとみて、今後も受注拡大に注力する。

土木工事のスタートに加え、外注作業の内製化などで「上工程休止までは雇用確保のための業務の方向性についてめどが立った」(槙岡社長)ものの、その先には23年9月までの呉地区の全面閉鎖が控えている。このほど、こっこー社内で実施したアンケートでは、製鉄事業部のほぼ全ての社員が「呉で、働き続けたい」と回答したといい、地元での雇用維持を目指し、さらなる企業買収、事業譲受も視野に、業容拡大を模索していく方針だ。

日本製鉄からは、呉地区の閉鎖について、大枠のみが示され、具体的な計画は明らかにされていないという。槙岡社長は、「いまの不透明な状況では、当社が閉鎖への対応スケジュールを詰めていくのは難しい」と苦境を説明する一方、「これまで呉の製鉄所と共に歩んできた。その歴史を重んじ一日でも長く、一人でも多く、構内で働けることが社員にとってはベスト。閉鎖まで、そして閉鎖後もこの地域に根差した事業展開を目指し、協力していきたい」と話す。


 

[2020.12.14] 産業新聞 掲載

こっこー、BCPの策定推進 災害時、地域復旧に対応

 【呉】総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)は、事業継続計画(BCP)の策定を進め、災害時に地域の復旧に迅速に対応できる体制を整える。災害廃棄物の処理や被害を受けた建築物の修理、代替資材の供給など事業活動を通じ、被災地域の復旧・復興に貢献したい考えだ。
 

 BCP対策の推進を決めた背景には、2018年の西日本豪雨災害での経験がある。同社に直接の被害はほとんどなかったものの、社員の被災やインフラの損傷などで事業に大きな影響が出たことで、「災害復旧に向け、すぐに動き出すことができなかった」(槙岡社長)。
 

 災害後は、金属などのリサイクルを手掛ける資源循環事業で保有するネットワークやノウハウを生かし、発生した災害廃棄物の処理を呉市から受託。現在も、大量の廃棄物処理に取り組む。
 

 一連の経験から、資源リサイクルをはじめとした事業活動が「地域のインフラ」としての役割を担っていることを再認識したといい、槙岡社長は「『地域とともに成長する』という企業理念の下、災害時でも事業を継続し、早期に復旧・復興に対応できる体制を整えたい」と話す。
 

 今後、本社を中心にBCP対策を進め、将来的には営業・加工拠点を持つ中国・四国地区でも体制を整備する方針。
 


[2019.11.26] 産業新聞 掲載

 

西日本豪雨から1年 こっこーの取り組み「呉市の災害廃棄物処理に全力」


昨年7月に発生した西日本豪雨の影響で広島県呉地区は土砂災害や床上浸水で多大な被害を受けた。インフラ面では広島方面からの陸路・鉄路が寸断し大渋滞が起こり、呉地区への鋼材や加工製品の出入りが困難な状況が発生。市内を中心とした断水に伴い、市民生活・経済活動にも長期間の影響が表れ、不便な生活を強いられた。被災地・呉市に本社を置く総合リサイクル企業・こっこーは自社の従業員が被災する中、災害発生直後から災害廃棄物の処理に取り組んでおり、槙岡達也社長に聞いた。


 

—当時の被災状況は。
「まずもって、被災された方にお見舞い申し上げると共に、一日も早い復興をお祈り申し上げたい。当社従業員においても、約10名程が家屋の床上浸水や土砂災害などの被害を受けた。物流が滞り仕事にならないため、被災を免れた社員は自発的に被災した社員の家に向かい、土砂のかき出しや片付けを手伝っていた。作業で真っ黒になりながら高いに励まし合う姿を見て、この社員達がいれば、間違いなく会社は伸びるとの自信を持たせてくれた」

 

 

—会社の被害は。
「会社は7月単体で売上高は20%減。1週間程度の断水は発生したものの、特段に設備の浸水被害などはなく持ち直したが、私自身の計画性のなさを反省。有事の際に売上や今期業績の心配事が頭をよぎって右往左往していたのが実情だ。当社では被災当時を振り返りながら、何が起きて何が必要かを精査し、管理本部が中心となってBCP対策に取り組んでいきたい」
 

 

—災害廃棄物への取り組みは。
「豪雨災害発生当初から呉市の要請を受けて、広島県資源循環協会会員として呉市の災害廃棄物の仮置き場でのボランティアを地元復興の一環として開始した。その後は受入れ管理業務として業務受託した。当初は廃棄物受け入れと手選別のみだったが、今年1月からは、入札により処理業務全般に取り組んでいる。市からは想定数量約13万㌧分の災害廃棄物処理を受託しており、今年12月末までの期間での処理完遂に努めている」
 

 

—現場の状況は。
「夏場に丸一日、手選別の現場に入ったが、とにかく大変な作業だった。悪臭が漂う中、かがみっぱなしの作業。中身が入ったまま回収された冷蔵庫などの影響もあり、大量発生したハエが休憩所まで入ってくる。濡れた畳は腐ってひどい臭いを放ち、運搬にも力がいる。運び込まれた様々な災害ごみを見ると、生活用品はもちろんのこと、思い出の写真など、そこに被災者の方々の幸せな生活があったことが容易に想像でき、大変心苦しい気持ちになった。劣悪な環境下で現場作業に従事する社員には感謝しかない。当初は新たに積まれていく廃棄物の山を見て絶対に作業が終わらないのではと、左記が見えない絶望感にさいなまれたが、今年1月に現場に破砕機を導入したことで作業スピードも向上している」
 

 

—今回の教訓を生かすとすれば。
「今までこのような経験はなかったが、災害廃棄物処理に携わることで現場の勉強にもなった。当社では今後、廃プラや雑品などリサイクル分野の品目を増やすことを検討しており、今回の選別などの経験をプラスに生かしていきたい」

 


[2019.07.05] 鉄鋼新聞 掲載

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