―中計最終年度「プラスアルファへの挑戦」
総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達也氏)は2021年度を起点とする3カ年の中期経営計画の最終年度に当たる今年度の基本戦略に「プラスアルファへの挑戦」を掲げ、企業ブランドや人材の付加価値・利益率を高める。事業環境の変化に応じて、選ばれる会社になるよう戦略徹底を図る。
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直近の業績は23年3月期売上高が139億7200万円、経常利益1億600万円の増収減益に着地した。鉄スクラップ単価の下落変動や住環境部門のコロナ禍による買い控えに大きな影響を受けた。
地元大手企業の構内作業や鉄・非鉄スクラップおよび産業廃棄物を扱う「環境資源事業部」は、今年9月末に控えた日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止後の片付け作業や環境維持作業に引き続き貢献していくとともに、地元での就業・生活を強く希望する従業員の雇用維持に向けて、黒瀬リサイクルセンター(東広島市黒瀬町)における作業拡大と処理体制の強化を図っており、新規事業や既存事業の拡充にも積極的に挑戦していく。
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SDGsや脱炭素社会の実現に向けては、本社のリサイクル工場2棟の屋根に太陽光発電パネルを年内に設置し、自然由来の電力で自社使用電力の一部を賄う計画。耐用年数が過ぎた太陽光発電パネルの大量廃棄に備えての再資源化にも取り組み、適正なリサイクル体制の構築を目指す。黒瀬リサイクルセンターには処理設備を据え付けており、太陽光パネルから回収したガラスの有益な活用法についてNPOや大学他と連携し研究開発を進める。
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こっこーは廃蛍光管等の水銀含有廃棄物中間処理を展開し、中四国以外にも九州圏へと集荷のウイングを広げているが、LEDへの転換が進み、扱い量はピークアウトへと向かう見通し。将来的には廃パネル処理の需要も高まるとみるが、今後は取扱品目の拡充も必要とし、排出元や業界内での廃棄物ニーズ・シーズのヒアリングや技術動向等にも目を向けて新たな計画策定を図る。
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鉄鋼建材、エクステリア商品の販売施工を行う「生活環境事業部」については、中四国地区の新築住宅着工件数の低迷や人口減少と住環境市場の成長性は高くないものの、鉄スクラップより市況変動が少ないことから安定的な収益を稼ぎ出せる部門へと成長を促す。資材大幅値上げが購買意欲を削ぎ、今年度も逆風が続く見通しだが、SFAシステムを活用して優秀な営業マンの行動特性を解析、横展開することで、属人化した営業手法からの脱却と営業力強化を目指す。
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新たな柱に育てる意向の土木事業は、20年に広島市内の工務店をM&Aにより取得し、技術ノウハウの習得、企業風土の変革に努めている。30年までに土木事業全体で売上高10億円の体制を作る。
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【2023.06.23】鉄鋼新聞 掲載