【呉】建材加工販売、総合リサイクル業のこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達真社長)は、このほど、ベトナム産石材の輸入販売事業を分社化した。全額出資子会社の「ミライブ」を設立し、4月1日から業務を始めている。石材は一般住宅や造園向けに販売しており、受注量は増加傾向。今後、販売パートナーの拡大など販路拡大を図っていく方針だ。
石材販売事業は2014年にスタート。当初は、金属製の建材事業と相乗効果を目的にエクステリア商品の一つとして取扱いをはじめ、こっこーの企業理念である「人に心地よい環境をつくる」を実現する景観製品として、販売は製品開発に注力してきた。近年は鎌倉霊園(神奈川県鎌倉市)などさまざまな物件で採用され、扱い量が増えている。
ミライブはこっこー東京事務所(東京都中央区新川1-7-3)内に本社を置く。代表はこっこーの田中利幸執行役員・管理部長が就任。中国・四国地区にエリアを限らない事業展開を視野に、東京を拠点とした。社名は「未来(ミライ)」と「住む」、「生きる」を意味する「live」を組み合わせたもの。
ベトナムでの石材切り出しや製品に整える作業はベトナムの業者に委託している。新会社の設立で販路を広げ輸入量を増やし、ともに成長していくことで、さらに委託先との関係を強化したい考えだ。「将来的には石材事業以外でも現地とのパイプを構築し、事業展開につなげていきたい」と槙岡社長は話す。
こっこーの16年3月期の売上高は前期比24.2%減の103億3000万円、主力である金属リサイクルで鉄スクラップ相場が大きく下落したことが強く影響した。一方で鉄鋼建材などを扱う生活環境事業部では業務改善などの成果で利益率が向上、今期はこうした取り組みを全社に水平展開していく考えだ。
常務に槙岡達也氏
【呉】こっこーは5月27日に開かれた株主総会、取締役会で、槙岡達真社長の息子である槙岡達也氏が取締役常務執行役員(生活環境事業部長)に就任した。田中利幸・取締役副社長は取締役を退任し、執行役員・管理部長に就いた。田中氏は、4月に設立されたこっこーの子会社で石材輸入販売を手掛ける「ミライブ」の社長に就任しており、今後は同社の事業に専念する。
[2016.06.10] 産業新聞 掲載