軽量発泡資材 自動梱包ライン導入 ・3事業部制に組織改編

【呉】建材加工販売、総合リサイクル業のこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達真社長)はこのほど、広島加工センター(広島県東広島市)に廃ガラスを材料に製造する軽量発泡資材「スーパーソル」の自動梱包ラインを設置、試験稼働を開始した。梱包を行うことでほこりなどの発生を防ぎ、周辺環境への影響を低減することが可能となる。同社は6月に3事業部へ組織改編を行い、事業体制を強化した。
広島加工センターでは、スーパーソルの開発元であるトリム(沖縄県)製のプラントを導入、同製品を製造している。これまで製品は屋外で保管しており、ほこりなどの発生による周辺環境への影響が課題となっていた。環境負荷軽減を目的に製造後、梱包を行ってから保管を行うことを決め今年3月に設置工事を開始、このほど試験稼働を始めた。今後、必要に応じて集塵装置などの追加を行う計画。またスーパーソルの原料確保の安定化とともに、廃ビンなどをそのままガラスとしてリサイクルするため、同加工センター内にカレット処理設備を新設する予定。
同社は6月1日付で組織改編を行い、3事業部制へ移行。槙岡達真氏は同日付で代表権を持つ会長兼社長に就任した。事業部は製鉄所の構内作業を手がける「製鉄事業部」、鋼材・建材の加工販売やエクステリアを取り扱う「生活環境事業部」、金属スクラップの加工処理をはじめリサイクル全般を行う「資源リサイクル事業部」に改編、取締役を1人増やし各事業部の最高責任者とする業務執行体制を採る。各事業部が主体性を持った事業展開を推進することで、収益力の向上を図る。また業容の多様化により成熟した事業と成長途上の事業が混在する中、槙岡社長が経営トップとして育成事業に注力しやすい環境を整える目的もある。
今期は2011年から始めた石材事業に注力する方針で、今年4月には自社ブランドとして「ComfyS(カムフィス)」シリーズを立ち上げた。同社の扱う景観石材を製品シリーズとしてまとめたもので、知名度の向上を図るのが狙い。「心地よい環境づくり」をテーマに今後、ラインアップを増やしていく計画で、琉球石灰岩を用いた石材を近く追加する予定。
同社の14年3月期の業績は、売上高が13年3月期比10.6%増の139億1960万円、経常利益は同期に比べ4億4500万円増の1570万円となり3期ぶりの経常黒字となった。一方、金属スクラップ加工処理を行う本社工場の建て替え、整備に伴う設備償却などの影響で、営業損失は2億4760万円。今期は金属スクラップの扱い量増加やエクステリア事業の売り上げ増を予測。前期を上回る水準の売り上げを計画し、本業での業績改善を目指す。


[2014.07.04] 産業新聞 掲載

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