総合リサイクル・建材加工販売のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達也氏)の2017年3月期業績は鉄スクラップ相場の高値推移・販売増などを要因に、増収減益で着地した。売上高は前期比12.3%増の116億730万円、経常利益は410万円。今期業績は鉄スクラップ市況の上向きや各事業の収益性の高まりを加味し、売上高126億円を計画、増収増益を目指す。
前期業績の内訳は、鉄・非鉄スクラップ、使用済み蛍光灯・乾電池リサイクル、古紙などを扱う資源循環事業部門は前期比34.8%増の46億4260万円。昨年中はスクラップ相場が高位で推移、メーカー購入量が上向いたことも奏功した。製鉄所構内作業の製鉄事業部門は工事減少で同2.7%減の22億1200万円。鉄鋼建材営業、エクステリア商品の販売・工事・施工を行う生活環境事業部門は同3.0%増の47億5270万円。
一軸破砕機導入 拠点整備へ
同社では今春、社長交代し若返りを図り、今後も鉄スクラップを柱にしながら廃棄物の分別を強化しリサイクルのすそ野を広げていく方針。「スクラップ、鉄鋼建材、エクステリアの各事業分野において、いかに付加価値を高めるかが課題」(槙岡社長)。その一環に自社保有資産を有効活用しようと、拠点整備を進める。
今期中に広島加工センター(東広島市黒瀬町)には、本社近郊に完成したバイオマス発電設備に使用する木材燃料チップの製造や廃プラスチックなどの産業廃棄物中間処理施設として小型の一軸破砕機を新たに導入する。破砕機の習熟を高めながら鉄・古紙以外の廃棄物への展開も進めていく。東予営業所(愛媛県西条市)は、生活環境事業で使用した延床2千平方㍍ある第2ヤードの半分を整理して、資源循環事業での有効活用を図る。また、スクラップや古紙を扱う東広島リサイクルセンター(東広島市西条吉行東)のヤードも老朽化しており、広島加工センターや本社の遊休土地の活用を踏まえ検討を進める。
廃ガラス原料の軽量発泡資材「スーパーソル」は、今期、軽量盛土材を中心に約3千立方㍍、来期も約5千立方㍍の大型案件の引き合いが続いており、営業効果が表れつつある。
[2017.07.07] 鉄鋼新聞 掲載