総合リサイクル・建材加工のこっこー(本社・広島県呉市、社長・槙岡達也氏)の2021年3月期業績は売上高が前期比26.2%減の101億8400万円、経常利益は同15.3%増の9700万円と減収増益。減収については、災害廃棄物処理の大型案件終了やスクラップ単価は上がったものの扱い量減少が響いた。一方、逆風下の中で徹底したコスト削減と利益率向上に向けた自助努力が実を結んだことと、各種助成金の活用により黒字確保を果たした。
事業部門別売上高では、鉄・非鉄スクラップ・古紙などを扱う資源循環事業部が47.7%減、鉄鋼建材、エクステリア商品の販売施工を行う生活環境事業部が6.6%減、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の構内作業を担う製鉄事業部が3.4%減と、いずれも売り上げ減を示した。
特に西日本豪雨で発生した災害廃棄物処理業務の大型スポット受注で前々期の売上高が伸長していた資源循環部門の売上高は、市中発生減に伴うスクラップ扱い量減も加わり半減。製鉄事業部門は期中に高炉1基の休止の影響が危ぶまれたが、継続契約の見直しや操業人員減に伴って増加した構内スポット作業の獲得が奏功し小幅減。生活環境事業部門の鉄鋼建材分野は自動車メーカーをはじめ産業界のコロナ感染拡大の影響による設備投資減が大きかったが、エクステリアではCAD図面を活用した提案型営業による付加価値向上や営業努力による配送費獲得で利益率が向上した。資源循環、生活環境の両部門は「販価上げや生産原価低減の徹底で、コスト意識、利益率向上に向けた意識改革が浸透した一年だった」(槙岡社長)と評価する。
同社は前期の期初に、製鉄所閉鎖を見据えた「再生プラン」を始動。従業員の雇用と全事業の黒字の確保を目指している。
[2021.6.18] 鉄鋼新聞 掲載