【呉】総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)は、事業継続計画(BCP)の策定を進め、災害時に地域の復旧に迅速に対応できる体制を整える。災害廃棄物の処理や被害を受けた建築物の修理、代替資材の供給など事業活動を通じ、被災地域の復旧・復興に貢献したい考えだ。
BCP対策の推進を決めた背景には、2018年の西日本豪雨災害での経験がある。同社に直接の被害はほとんどなかったものの、社員の被災やインフラの損傷などで事業に大きな影響が出たことで、「災害復旧に向け、すぐに動き出すことができなかった」(槙岡社長)。
災害後は、金属などのリサイクルを手掛ける資源循環事業で保有するネットワークやノウハウを生かし、発生した災害廃棄物の処理を呉市から受託。現在も、大量の廃棄物処理に取り組む。
一連の経験から、資源リサイクルをはじめとした事業活動が「地域のインフラ」としての役割を担っていることを再認識したといい、槙岡社長は「『地域とともに成長する』という企業理念の下、災害時でも事業を継続し、早期に復旧・復興に対応できる体制を整えたい」と話す。
今後、本社を中心にBCP対策を進め、将来的には営業・加工拠点を持つ中国・四国地区でも体制を整備する方針。
[2019.11.26] 産業新聞 掲載