_総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)の2021年度(21年4月~22年3月期)の業績は、売上高が前期比32.7%増の135億1100万円、経常利益は同184.7%増の2億7700万円で増収増益だった。鉄スクラップ相場の上昇が追い風となったほか、製鉄所構内の作業が当初の想定ほど減らず、収益に貢献した。21年度中に事業環境が大きく変わったため、22年度から中期経営計画(21-23年)を見直し、カーボンニュートラルへの対応などに注力する。
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_金属スクラップなどのリサイクルを手掛ける資源循環事業部は、扱い量の回復やスクラップ相場の上昇で売上高が大幅に増加した。日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区での構内作業を請け負う製鉄事業部は、21年9月の鉄源工程休止に伴う片付け・整理作業の受注で収益を維持。鋼材や建材・エクステリアなどを販売する生活環境事業部も単価の上昇と販売数量の増加で売り上げを伸ばした。コスト削減や利益率の改善に向けた全社的な取り組みも成果を上げたという。
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_22年度は鉄スクラップ相場の変動や鋼材・建材価格の高止まりなどを織り込み増収増益の計画。資源循環事業部と製鉄事業部を「環境資源事業部」に統合しシナジーを高めることで、製鉄所内での片付け作業の受注拡大につなげる。生活環境事業部では、製品の値上がりが逆風となる中、メーカーとタイアップした販売キャンペーンの企画などで販売量を増やし、「底力を見せる1年」(槙岡社長)にしていきたいと言う。
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_この1年ほどで事業環境が大きく変化したことから、中計を一部見直した。金属スクラップの資源としての価値が高まっていることやカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速していることなどを受け、次期中計以降の持続的な成長へとつながる基盤づくりを進める。槙岡社長は「事業環境はポジティブな方向へと変わっている。このことをチャンスと捉え、中計を前向きに進めていく」と話す。
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_収益力の強化やイノベーション創出、事業部・グループ間のシナジー強化といった従来の方針に、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みや脱炭素社会への対応を加え、リサイクル分野を中心に事業拡大を目指す。新設備の導入やリサイクル技術の研究・開発も継続的に行っていく考えだ。
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_人への投資も企業の継続的な成長に欠かせない重点施策として、力を入れている方針を打ち出す。教育・研修制度の充実や人事制度の改革などを通じ、「やれば報われる・出る杭は伸ばす」企業文化を熟成する。労働人口が減少に向かう中、、女性の採用拡大や管理職登用も積極的に行っていく。
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【2022.06.21】産業新聞 掲載