こっこ一、3ヵ年新中計「事業基盤を強靭化」

― 全部門で黒字化目指す
 
 総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)は、2021年度から3力年の中期経営計画を策定した。構内作業を手掛ける日本製鉄瀬戸内製鉄所・呉地区の閉鎖が23年に予定されるなど事業環境が大きく変わる中、収益力の強化やイノベーション創出、事業部・グループ間のシナジー強化などを通じ、強靭な事業基盤を再構築する。
 
 
― 解体付帯作業を獲得へ
 
 20年度にまとめた外部環境の変化に対応し、社員の雇用維持と22年度の黒字化を目指す「こっこー再生プラン」と並行し、取り組みを進める。「ピンチをチャンスに変えるために、挑戦しよう」を中計のスローガンに〝再生後〟を見据え、あり様を描いた。最終年度には、全事業部の黒字化、純利益1億円の安定確保、雇用維持、自己資本比率30%の達成、働き方改革による労働時間の短縮などを実現する。
 中計中に、製鉄所の構内作業を請け負う「製鉄事業部」の作業が大きく減少する見通しのため、収益改善、雇用維持を目標に、既存事業の利益率向上や社長直轄の「事業開発プロジェクトチーム」を中心にした新規事業の立ち上げに取り組む。
 昨年M&Aを通じ、スタートした土木事業の拡大、金属リサイクルなどを担う資源循環事業部と鋼材やエクステリアなどを販売する生活環境事業部の連携強化、製鉄事業部の構外作業への進出など事業改革は一定の成果を上げていることから、改革を加速し将来につながる基盤づくりを進める。
 日本製鉄が5月に、広島県や呉市などでつくる合同対策本部で、9月末の鉄源工程休止後の保全や一部解体、23年に予定する全設備停止後の撤去・解体について概略が示されたことを受けて、製鉄所の解体工事にかかる付帯作業の獲得を目指す。槙岡社長は「製鉄所の中で1日でも長く、一人でも多く働くことが当社と地域にとってはベスト」と話し、参入に強い意欲を見せる。
 6月には、創立70周年を迎えたばかり。槙岡社長は、70年代のオイルショック、90年代のバルブ崩壊、08年のリーマン・ショックなどさまざま事業環境の変化に直面しながら、そのたびにピンチをチャンスに変えるべく攻めの姿勢で乗り越えてきた歴史を振り返り、社員に結束を呼びかけたという。
 今回、中計とともに10年後の長期目標も作った。80周年の節目となる31年には、「地域社会を豊かにする、総合リサイクル・活性化企業へ」と進化し、脱炭素社会への貢献、産業廃棄物の処理品目拡充、新たな処理設備の導入やIT化、グループ土木事業10億円到達などの実現を掲げる。
本社社屋の建て替えや80周年の記念事業も実施したい考えだ。
 
 
― 前3月期、減収増益 土木拡大で雇用維持
 
 こっこーの20年度(21年3月期)の業績は.売上高が前期比26.2%減の101億8,500万円、経常利益は同15.3%増の9,700万円で減収増益だった。19年度(20年3月期)に災害廃棄物の処理で一過性の収益があったため、反動で、資源循環事業部の売上高が大きく減少した。利益面では、経費削減、コストを意識した営業方針の徹底で利益率を高めたことなどが寄与し、営業・経常共黒字を確保した。新型コロナウイルス感染症による国内経済活動の低下を受けて、資源循環事業部のほか、製鉄事業部、生活環境事業部でも売上高が減った。製鉄事業部では、20年2月に日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区で第2高炉が休止されたことで仕事が減ったものの、スポット作業や構外作業の受注強化が小幅減にとどまった。
 21年度(22年3月期)は、経済が回復基調にあることや鋼材やスクラップの相場が上昇していることから増収計画。ただ.仕入れ価格の上昇に見舞われていることに加え、9月末に呉地区で高炉2基を含む鉄源工程が休止され、製鉄事業部の構内作業が大きく減る見通しのため.事業環境は依然、厳しいとみて収益改善への取り組みを続ける方針。
 鉄源工程休止後の人員は.20年度に立ち上げた「こっこー再生プラン」の進展により、グループ内での配置転換や製鉄事業部内での再配置などで対応する。大きなテーマである「雇用維持」は23年の全工程休止に向け、昨年グループ化した村上工務店(広島市)を中心にグループ全体の土木事業の拡大、他事業部の体質強化などで受け皿づくりを継続する。
 21年度は、各事業部で設備面でも体制強化を図る。資源循環事業部では、年度内をめどに呉リサイクルセンター(呉市)に小型竪型破砕機と選別ラインを導入する。鉄・非鉄、樹脂を含む「雑品」と呼ばれる複合スクラップなどを再資源化する。処理能力は、1日当たり約7トン。18年に木くず・廃プラスチック用の一軸破砕機を設置しているが、スクラップ加工に使う破砕機の導入は同社として初めて。槙岡社長は「実際に運用することで、今後の資源循環の絵姿を考える材料にしたい」と話す。22年度には、リサイクル需要の増加が予想される太陽光パネルの再資源化事業への参入を検討する。
 製鉄事業部では、鉄源工程休止後の製鉄所内での片付け作業や解体工事にかかる付帯作業の獲得に注力する。生活環境事業部でも広島加工センター(東広島市)にプレスベンダーを設置し、鋼板加工に活用する。


【2021.07.20】産業新聞 掲載

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