資源のリサイクルや製鉄、建材加工、エクステリア商品の販売施工などを展開する。槙岡達也社長は、「総合リサイクル企業として事業の裾野を広げていく」と展望を語る。
そのイメージを担うのが廃ガラスを軽量発泡資材に再生した「スーパーソル」。2010年に広島加工センター(東広島市)にプラントを導入して事業化した。瓶として再生できず、これまで埋め立てていた緑や青の着色瓶を粉末化し、熱処理して軽石状にする。
軟弱な地盤での盛土材にして沈下を軽減したり、高い排水性を生かして土壌改良したりと、工場現場や家庭に使われる。「廃棄物に新たな価値を付加できる」と槙岡社長は強調する。
水銀を含む蛍光灯、乾電池のリサイクルも手掛け、16年度からは中四国地方の医療機関を対象に水銀体温計、血圧計の回収を本格化させた。水銀の排出削減や適切な廃棄を定める「水銀に関する水俣条約」の今年8月発効を見越した対応。日山健一工場長は「世間の関心の高まりを先取りし、回収業者としての認知度を工場できた」と語る。
さらに18年度からは木材などの産業廃棄物破砕機を導入。木製パレットや梱包材をチップ化し、バイオマス発電の燃料として販売を計画する。
鉄スクラップで創業し、初期には取引先の経営不振のあおりで苦境に陥ったが、地域の支援を受けて立て直し、事業を拡大してきた。日山工場長は「地域とともに成長し、貢献を目指す企業文化は、社の歴史そのもの」と話す。
11年の創業60年を期に社名を変更。本社工場も建て替え、明るい外観にした。槙岡社長は「リサイクルの需要は今後も増える。事業の将来は明るいというメッセージを発信したい」と力を込める。
[2017.09.28] 中国新聞 掲載